高齢者になると、家族が気付かないうちに家を抜け出して、街をあてもなく徘徊することがあります。これは認知症の症状の一つで、「周知症状」とも呼ばれています。外を散歩しているだけではなく、踏切や池のある公園など、一歩間違えば大けがに繋がるような場所に足を踏み入れてしまったりもします。
徘徊の原因は様々です。身体的な原因だと、トイレやお風呂に行こうと思って身体を動かすのですが、起き上がった理由を忘れてしまうのです。そのため、徘徊に繋がると言われています。ですが、トイレやお風呂といった目的を思い出し、達成することで行動が落ち着くこともあります。
さらに、心理的なストレスも大きく関わっています。何をしていたか思い出すことはできないけれど、「この時間になったらなにかしなくては」という気持ちが、認知症である人たち大きなストレスになっています。そして、その「何か」を再現しようとしてしまい、徘徊が始まることが多いのです。
いずれにせよ、その時の環境や、環境の変化で徘徊が始まることが多いので、生活リズムを整えてあげることが重要でしょう。さらに、趣味を作ってあげたり、集中してできるような仕事を与えてあげるのも良いかもしれません。「ストレスを与えないようにする」といっても、人のストレスはその人にしか分からないものです。完璧にストレスを取り除くというのは難しいですから、少しでも理解して、寄り添えるようにしましょう。